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なぜGoogle Playは収益性が悪いのか?




Google Play(旧Android Market)におけるAndroidアプリ販売の収益性は多くのストアに負けていると言われています。
AppleのAppStore(iOSアプリ)と比べると10倍位差があるという話もあります。
先日もゲームアプリはAmazon Appstore(Androidアプリ)の方が3-4倍収益性が良いというツイートもありました。

『現在米国のみのAmazon Appstoreに負けるとはどうなの?』という気もしますが、Google Playはいずれ他の主要なアプリストアに収益性で全敗すると考えています。
※RIMのBlackberryアプリストア、NokiaのOviストア(フィーチャーフォンアプリ)にも負けているそうです。
※後は勝敗が不明なのはMicrosoftのMarketplace(Windows Phoneアプリ)だけかも(笑)

そこで、なぜ、ここまでGoogle Playの収益性が悪いのか考察してみます。

なお、以下に記載する正確性を求めている内容ではありません。その為、間違いが多々あるとかと思います。
また、偏った内容が含まれているかも知れませんが、あくまでもGoogle Playを早期に改善して貰えるように敢えて問題点を挙げます。
更に良い情報がありましたならば、文句では無くご報告下さい。文句は基本的に無視します!(笑)

 

1. 無料アプリが多い

Google Playには無料アプリが他のストアに比べて多いと言われています。(勿論、違法コピーで無料で配布しているストア等は除外します。)
70%以上が無料アプリという調査結果まであり、少し異常とも言える比率に見えます。

アプリ内課金等を行う為に無料で配布しているケースもあるかと思いますが、アプリ内課金は手間がかかる為、それ程多いとは考えにくいと判断しています。

この様に無料アプリが大量にある状況で、いきなり有料アプリを買おうと考える人は少ないと考えられます。まずは無料アプリを試してから良いのが無ければ有料アプリという形になるかと思います。
そして色々試している内にアプリを買う人が必然的に少なくなり、収益性が悪化すると考えられます。
何しろ、日本の販売者が設定できる販売最低価格の99円でも「少し高い」という人まで居る状況では話になりません。
※海外の販売者の場合は為替の関係で80円とかの値付けがされる事があります。

何故ここまで無料アプリが増えたのか?

Googleは、当初、各国でのAndroid端末販売開始と同時にAndroid Marketでのアプリにアクセスできる様にしました。
そして最初の1ヶ月間は有料アプリへのアクセスを不可にするという施策を行いました。「システムに慣れさせる為」という意味不明な理由でです。

この施策中はその国のアプリ販売者は有料アプリの販売はできません。つまり、Android Marketでは無料アプリを配布するしか道がなかったのです。
当然、この意味不明な施策は国内でも行われました。国内は半年間位だったかも。
※一応、日本の販売者で一番最初に有料アプリの販売を開始したのがウチです!(笑)

勿論、例外もあります。Android端末販売開始後、数ヶ月、長い所は数年に渡り無料アプリしかアクセスできない様にしていた国も存在します。そして、その国のアプリ開発者は、Google Playでは無料アプリを配布するしか道がありませんでした。

その施策がいつ解除されるか不明な状態の場合、無料アプリで稼ぐ事を考えるしか道が無かったと考えられます。
そして、無料アプリが増え始め、安値販売のチキンレースが始まりました。無料に対抗するには買ってくれる位のアプリを作るか同じく無料アプリを配布するしかなかったと判断できます。

有料アプリに関してはGoogleは手数料として30%を取りますが、無料アプリはいくら配布しても0円です。(販売者登録料の25米ドルはこの際無視します。)
※手数料30%の内25%はキャリアに配分して残り5%をGoogleが維持費として取るのでGoogleは余り稼げていないという話もあります。

どのストアでも有料アプリよりも無料アプリの方がダウンロード数が多いのは同じかと思いますが、Google Playは毎年会費を取らない為、ストア運営に余り力を入れなくなるのはあり得る話かも知れません。

この様に自らの意味不明な施策により、図らずも無料アプリが増えてしまった為、収益性が悪くなったというのも理由の一つかと考えられます。

ちなみに、他のストアでは一時的に無料配布して数を稼ぎ、ランキングを優位にするという手法が使われますが、Google Playでは一度無料にしていまうと二度と有料に戻せなくなる為、無料と有料はきっちり分かれています。

 

2. 支払いシステムの問題

無料アプリばかりのGoogle Playにおいて、有料アプリを購入してくれるお客さんは大変貴重です。
しかし、支払いに使用しているGoogle Wallet(旧Google Checkout)は、以前はクレジットカードだけしか使えませんでした。つまり、折角意味不明な施策が解除されて有料アプリにアクセスできる様になったとして、クレジットカードを持っている人数が少なそうな(そして主な購買層になりそうな)若年層にリーチできていませんでした。

しかも、3年以上前からクレジットカードの承認エラーという問題が存在しています。この問題は、クレジットカードでアプリを買おうとしてもエラーで買えないというもので、致命的問題と考えています。
何しろ、3年以上前から指摘しているのに改善されませんから。

最近ではキャリア課金ができる様になりましたが、クレジットカードの承認エラー同様にエラーが頻発します。
大抵の人は2回位エラーが続くと購入を諦めます。大変な販売機会損失ですね。
※1度エラーになった人が同じクレジットカードやキャリアアカウントでエラーが消えてパスした所を見た事はありません。

勿論、全てのキャリアで課金できる訳ではありませんし、全ての国で使える支払い方法ではありません。キャリア課金が使えない場合はクレジットカードが必要になります。
※国内でもクレジットカードでしか支払いできないキャリアがあります。そしてそのキャリアのユーザーはクレジットカード以外での支払い方法を調べるなど苦労している様です。

他のストアではクレジットカード、プリペイドカードでの支払いができるなど、お客さんの立場に立った支払いシステムが確立されている所が多いかと思います。
今後、Google Wallet とNFCを使ったプリペイド方式の支払い方法も考えているのかも知れませんが、いつ流行るのかわかりません。

この様にエラー続きの支払いシステムでは話にならないので、開発者は無料アプリを配布して広告等の他の事で稼ごうかという気持ちになる可能性があります。

ちなみに、米国の人に関しては最終手段のクレジットカードの支払拒否というのが存在します。
今まで2年連続同じ日に支払拒否され、アプリを盗まれましたが、詳細な理由は2年以上経過した今でもGoogleは無視をし続けています。最初の時は手数料を支払わされたのですけれどね。

更にちなみに、クレジットカードの承認エラーはアプリ販売時に限らず、販売者登録料支払時にも発生している様で、エラーで販売者登録ができずに困っている開発者、企業が少なからずある様です。
※国内だとvプリカが使えるかも知れませんが、未確認です。

 

3. 端末の種類が多すぎる

Androidはオープンですが、その分自由に利用できる為、端末の種類が増えました。今では4000種類近くとも言われています。
OSのバージョンが多いというのもありますね。

この様な端末の種類が多い場合、全ての機種でテストするのは不可能です。しかし、ユーザーからすると自分の端末が唯一の世界、または端末である可能性があるため、「自分の端末で何故動かない!」という事になり、感情的になって低評価をするケースを多々見ます。

国内でも、勝手にバックグラウンドのサービスを切ったり、メモリ使用量の制限を超えるとアプリを強制終了する端末が存在します。
これらのOS独自拡張機能もアプリが動かなくなる原因と考えられます。

アプリが低評価されるとアプリのダウンロード数に大きく響きます。そして、有料で販売するといくら値段が安くても不具合が出ると文句を言われます。
少し気に入らないだけで「金を返せ!」という文句も見た事があります。(この人は100円の缶ジュースを購入して気に入らなかった場合でも金返せと言うのでしょうかね?)

サポートを考えると100円程度の値段では割に合わないので、サポートを避ける為には無料アプリを配布するのが一番気楽なので無料アプリが増える可能性があります。
全機種検査は不可能ですから。

ちなみに、Google Playでのレビューコメントには記載時のポリシーが決められています。しかし、幾ら下品だったり低俗、更には誹謗中傷コメントをGoogleに報告しても削除してくれません。
削除依頼を出しても「追加情報が無い」という返事だけで7週間経過した後、今は無視されています。
なお、無視はGoogleのサポートの常套手段です。

更にちなみに、Amazon Appstoreでも機種が多い事は同じでは?という意見もあると思いますが、Amazon Appstoreの場合は後からストアアプリを入れないといけない端末ばかりである事とほぼKindle Fire向けストアと化しているので余り問題は出ないようです。
また、Amazonが主要な幾つかの機種で審査をし、通過したアプリのみストアに並んでいるのもあるかも知れません。

 

4. アプリ表示の問題点

Google Playのアプリ検索システムが酷い事は昔から言われていましたが、アプリ表示の問題点もあります。

あるアプリのページを見ると同じ販売者のアプリとして4つ位表示されます。
しかし、何故か有料アプリではなく無料アプリの方が優先されて表示されます。(?_?)?

他のストアだと有料アプリの方が優先される事を考えるとこれは大きな問題です!
Google Playはそもそもアプリを売る気が無いのかも知れませんね。

アプリを売る気の無い店主のストアでは売れる物も売れなくなりますよね。

ちなみに、Google Playではアプリの検査も抜け穴の多い自動的な事しかしていませんが、アプリの説明文等に関しては審査も何もしていません。その為、アプリの説明文に関係無いキーワードを大量に記載して置く事(キーワードスパム)が可能になっています。
そして、検索結果には関係無いキーワードスパムを施したアプリが表示されて検索結果を混乱させているのも見かけます。
審査をせずに自由にしてしまうと必ずモラルの無い人が荒らすのはどこでも同じなのですが、主力事業の広告と違い、Google Playには余り力を入れていないようで放置されたままです。

更にちなみに、Google Playには40万を超えるアプリがあると言われています。しかし、アプリ開発を学ぶ時に良く使用される「Hello World」アプリもその40万の中に300個以上含まれています(笑)
※某端末メーカー製「Hello World」アプリには満点の星5評価が付いていますが、どこがそんなに素晴らしかったのでしょうね(笑)

 

5. アプリ配布システムの問題点

Google Playでは有料アプリを15分間はキャンセル可能です。(以前は24時間でした。)
この15分間キャンセル可能な事を良い事にバックアップ&キャンセルという有料アプリを盗む方法が存在しています。
参照: Androidアプリ開発者のための不正使用対策 

勿論、ライセンス管理がきちんとしているアプリであればバックアップ&キャンセルされても問題ないのですが、Google Playのライセンス管理はオプションであり、開発者に負担を強いる方法が採られています。
その為、ライセンス管理をしていない有料アプリは即カモにされます。

また、きちんとライセンス管理をしていても簡単にライセンス認証回避ができるという大変悪質なツールまで存在しています。
つまり、バックアップ&キャンセルしてアプリファイルを不正に手に入れ、上記ツールなどで改造をすれば簡単に無料で使える可能性があるという事になっています。

海外の人が1、2分でキャンセルしているケースが多いのはバックアップ&キャンセル狙いだと判断しています。

加えて、改竄して無料化したアプリファイルを配布しているサイトまで存在します。
その為、アプリファイル自体を探している人を見かける事があります。

この様な話が広まっている場合、全員では無いでしょうが多くの人が違法コピー等の手段を選んでいると考えられます。
そして、開発者にお金を落として行かないので開発者が儲からず、悪循環化していると考えられます。

ちなみに、無料アプリの貴重な収入源であるアプリ内広告のクリック単価は開発の苦労に見合わない程非常に低いのですが、Androidではアプリ内広告を消す方法が幾つも存在しており、元々割に合わない広告を削除して使おうとしている人がかなりの割合で居るのも事実です。
不正使用狙いキーワード例
2012/08/21追記 Androidアプリの改造ツールの詳細と手口について(違法コピー天国の現状報告)

 

6. まとめ

上記の様にGoogle Playには収益性を悪くする幾つもの要素があります。
他のストアでは大抵やらない事を見事にほとんど含むある意味素晴らしいストアとなっています。
このままで他のストアよりも収益性が良かったら逆に驚きです!(笑)
つまり、なるべくしてなった状態と言えるかと思います。

他にも色々と収益性が悪い理由はあるかと思いますが、Google Playとほぼ同じ条件、及びGoogle Playより遅れる事数年でアプリ配信を始めたAmazon Appstore(ほぼKindle Fire専用アプリストア化)にさえも差を付けられている為、説明が難しい部分があります。

ちなみに、Apple、Amazonは改善の為のアンケートを行いますが、Googleはそんな事はしません!
サポート窓口がある様に見せかけて結局は見つからない、または「ここをクリック」的なリンクは用意されていますが、クリックすると同じページが出る無限地獄に陥れます。そう、サポート窓口は無いに等しいのです!(笑)
人の意見を聞く耳を持つストアと持たないストアの違いがはっきり出ているのかも知れませんね。

少し前からAndroidアプリは儲からないので開発者が離れが始まっています。
その様な状態なのに有料アプリを無料で手に入れて使用したり広告を消して使う等、開発者に一円もお金を落とさないユーザーが増えている為、更に悪循環化しています。
自分では開発できないからこそ他の人が開発したアプリを使う事になるのに、対価を払わないで済ませる風潮は好ましくないですね。
アプリを不正使用されない為の必読書: Androidアプリ開発者のための不正使用対策  

また、(自分では開発できないのに)少し気に入らないだけで感情的になって低評価するというのでは話になりません。
開発者にお金を落とさない、評価を不当に下げる等の身勝手な行為を繰り返していると結局はユーザー自身に返ってくるのですが、そんな事はお構いなしのようです。
不正使用狙いキーワード例 

今後、Android、Google Playは、ある意味反面教師として別のOSやアプリストアの為に役に立つ事でしょう!(笑)

最後に、上記の問題点を考慮して、早期にGoogle Playの収益性が改善される事を願います。
今までの流れからするとかなり期待薄ですがね(笑)

2012/05/31 This post was written by Categories: AndroidGoogle Tagged with:
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